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こんな記録が参考になるかどうかは分かりませんが、覚えてる限り書き記しておきます。願わくばこれをご覧になっている皆様が二の轍を踏まぬことを願いつつ…。 ■日時と場所■ 2003年5月4日(日)世間的にはGWのまっただ中。時刻は朝7時半チョイ前ぐらいでしょうか。 場所は能登半島先端に程近い珠洲市内。後に運ばれる珠洲市総合病院まで車で5分足らずというこの上もなく恵まれたロケーションでした。 ■事故現場■ 片側1車線の直線道路。傾斜は0。両脇は畑8民家2ぐらいののどかな所。車の通りもそんなに激しくなかったように思います。 ■事故状況■ 前をアフリカツイン(以下AT)、後ろにMOTOが走っていました。対向車、後続車はナシ。現場前までの連続カーブで遅れた分を取り戻そうと、やや加速気味で走っていたら前方道路上に黒い小さな物体を確認。インカムから『スズメが落ちてる』との声が聞こえる。その声で『あ〜、スズメだ〜。避けなきゃ〜。』と減速してスズメを避ける。しかしそちらばっかり気にしていたのでATの減速(停車のため)に気付くのが遅れ、ATの左後方に接触。 |
■原因考察■ 普段走るときはちゃんと千鳥を組んで走っています。しかしマンホールや凹凸、障害物を避けるためにそれぞれが微妙にラインを変更することもあるわけでして、今回は不運にも避けた側が重なってしまいました。そして車間距離もいつも比較的多めに空けて走っていますが、車間距離が開きすぎると他車が入ってきたりはぐれたりするので時々縮めて調整したりもするのです。今回の事故は絶妙な匙加減で両者が重なったからこそ起きた事故と言えるのではないかと。 危険予測に関して言えば、自分に足りない部分があったのは否めません。『スズメが落ちてる→多分飛べないのかな?→きっとおっさんは拾って道路脇に返すだろう』までは予測してましたが、そんなにすぐに止まることまでは読めていませんでした。 そしてこれは整備不良というのかもしれませんが、出発する前にバイク屋から『次回はリアのブレーキパッドを交換した方が良い』と聞いていたので力一杯踏み込むのに躊躇があったのかもしれません。 あと今回はインカム(ツーリングコム)を使用していました。これがあったからこそ私はスズメを踏まずに済んだとも言えるのですが、これを使用しているときと使用していないときではやはり周囲に対する注意に差が生じてきてしまいます。特に私なんかは話すことに集中してしまうと周りを見ることがおろそかになりがちなので、利便性と危険性を考え合わせた上で事故以降使用するのを止めました。 結局この手の事故は、 ●適正な車間距離を保つ ●千鳥は守る ●危険予測をしっかりする ●車両の状態はいつもベストで ●周囲の状況は常にきちんと把握しておく という、とても当たり前なことを守っていればほぼ避けられるはずなのです。しかしいつも走っていると慢心からこれらがおろそかになってきてしまいます。 今回の一件は身体的金銭的に痛かったですが、大事に至らなかったのがなによりです。これを教訓にして以後気を付けてツーリングを楽しみたいと思います。 ■支出計算■ (詳細分かり次第更新します) 病院代 \20,000(暫定) (MOTO) ウィンカー \ ?,??? ブレーキレバー \ 9,800 (アフリカツイン) テールランプレンズ\ 1,040 ヘルメット \ ?,??? 積載網 \ ?,??? 積載ヒモ \ ?,??? ジャケット \ 250(手縫いで修理) Tシャツ \ 2,800(同じモノを購入-予定) オイルランランホヤ\ ?,???(接触時に粉砕) 菓子折 \ 1,700 ビジネスホテル \ 8,000(事故当日夜宿泊) ■おまけ■ ◇入院顛末記◇ 私の記憶はATにぶつかった時点から病院のベッドまでぱったりと消えています。ところどころ断片的にしか覚えていないので、ここからしばらくはおっさんに聞いた話と私が覚えていることをまぜこぜに書いてあります。 ATに衝撃があったのでその反動で少し走って停車。ほぼ同時に後方から『ガチャーン!』という音と、インカムから『う〜ん・・・う〜ん・・・』という声が聞こえる。これは大変と道端にATを停め、救出に向かう。前方に私が仰向けに、その後方にMOTOが右を下にして横倒しに倒れていた。急いで私の側へ駆け寄り、『大丈夫か!痛いところは?』と問う。意識がほとんど無い私は『腰〜、肩〜、肘〜』と訴えたらしい。見たところ腰からカックンと曲がってるし足も変な風にねじれてたから、一瞬一生車いすの私とそれを押す自分の姿が脳裏に浮かんだそうな。そして事故とほぼ同時にたまたま家の外に出ていた近所の農家のおばちゃんも駆けつけてくれて『救急車呼びますか?』と聞いてくれたので『お願いします』と要請。ふと思い立ち原因ともいえるスズメを探すも姿は見えず。歩いて逃げたのかもしれない。 なんとなく意識を取り戻した私(でも記憶はない)はむっくりと上体を起こして自らヘルメットを脱ぎ、立ち上がろうとするも腰が抜けてうまく立てない。なので諦めて道路に体育座りして『どうなったの〜?MOTOは〜?ごめんね〜』を繰り返す。その間におっさんがMOTOを道端に寄せ、交通整理。 そうこうしているうちに救急車到着。救急隊員に『名前は?』と聞かれ、思いっきり旧姓を名乗る私。それを横で訂正するおっさん。担架が運ばれてきたので自力で乗ったらしいけど、『靴は脱ぐんですか?』とか聞いていたらしい…。なんでこの事態でそういうこと気にしてるのやら(-_-;) 救急隊員の話によるとすぐに警察も来るのでおっさんはこの場に残るように指示され、私だけが救急車に乗せられて病院へ。譫言のような『ごめんねごめんね〜』を遮るようにバタンと閉じられる後部ドア。ここから病院の処置室までの記憶も全くナシ。 -- 私が運ばれてからまもなくして警察がやってきて、簡単な事情聴取と現場の撮影があったそうです。道路に付いたブレーキ痕を見て警官が勝手に状況を解釈していたらしいけど、おっさんは敢えて口は挟まなかったのだそうな。どうせ夫婦間の事故だしね。現場検証はあっさりと終わり病院へ行っても良いと許可が出されたのでATで病院へ。(MOTOと積載の荷物は先ほどの農家の納屋に置かせてもらいました) -- 多分処置室にて。ここでも意識はあるみたいですが、記憶は断片的にしか残っていません。ところで不思議なもので、音声の記憶はわりと覚えているんだけど、それに伴う視覚の記憶は殆ど無いのです。後で聞いた話によると、音声の方が入力されにくい分記憶に残りやすいのだそうな。 服をどんどん脱がされ(昨日お風呂に入ってないんだよな〜とか変なぱんつじゃなくて良かった〜とかボンヤリ思ってた)、『痛いところは?』と聞かれたので『腰と肘と膝』と訴える。レントゲンと脳のなんとか(CTらしい)を撮りますと言われたので『あのうるさいやつですか?』と聞き返すとそれとは違うとのこと。気分はどうか問われて『ややムカムカする』と言うと点滴(栄養剤だったらしい)に吐き気止めを入れて腕に刺そうとしていた。『注射嫌いなんです〜』と陳情するも『ゴメンね〜、でも打ってもいい〜?』と口調は優しいが有無を言わさぬ雰囲気だったのでおとなしく『いいです』と承諾。それにしても相変わらずおかしな事言ってますね(-_-;) 一通り撮影も終わったので病室の方に移動。ガラガラからベッドへは自分で移動したようです。そこでしばらくグーグー寝ていたらおっさんがやってきました。ちょっと前から病院にはいたらしいけど、レントゲン写真の説明を受けたり事務の手続きをしていたそうな。おっさんの顔を見るなり開口一番『MOTOは大丈夫?』『なんか腹減った』と言うあたり、すでにいつもの自分に戻ってる私。MOTOは多少傷付いてはいるけど走る分には問題ないということ、手足の痺れや麻痺が無ければしばらく休んだ後に退院できること、ご飯は何を食べても良いということ、乗れるようならバイクに乗っても良いということを教えてもらう。それからしばらくおっさんと話をするも、これから警察に行ったり私のヘルメットを取りに行ったりで再び出かけていく。再び眠りにつく私。 再びおっさんが戻ってきた頃、私も起きあがって歩くことが出来るくらい回復していたのでそろそろ退院することにした。事務で会計を済ませ(保険証不携帯+休日割増でとりあえず2万ほど支払い。後で保険証の写しを送ると精算してくれるのだそう)、スタッフの方にお礼を言ってATにタンデムし、病院を後にする。 病院から出たらまずは昼ご飯。近くのラーメン屋でラーメンを普通に食べる。店の人もまさか私がさっきまで意識無くて病院で寝てたとは思わないだろうなぁ。でもやっぱり味は良く覚えていない。それから近くのお菓子屋さんによって農家のおばちゃんに渡すお礼の菓子折を購入後、私の事情聴取のために珠洲警察署へ。これが結構時間かかるのかと思いきや、担当の人が『夫婦間でしょ?ケガが大したこと無かったら物損にしとく?それならさっき旦那さんから聞いた話だけで十分だから帰ってもいいよ。』とのこと。え、そんなんでいいの?いいならいいけど。 そんな訳で警察署はものの5分で後にし、MOTOが待つ農家の納屋へ。おばちゃんに菓子折を渡してお礼を言ってからMOTOを外に出す。破損部位を確認すると、右前ウィンカーとブレーキレバー、あとはハンドルがやや右曲がり。フェンダーとメーターとライトケースとバーエンドにかすり傷。エンジンをかけてみたらこっちは問題なく動きます。ウィンカーはお借りしたビニールテープで留めればOK、ブレーキレバーはショートレバーになったけどまだまだ使えそう。ハンドルはおっさんが力任せに修正。やや走りにくいけど走行に支障がない程度までには直りました。荷物の方はバッグに穴が開いたり積載網やヒモがきれたりしたけど、おっさんから恵んでもらったヒモと網で元通り積載できました。ちなみにダメージがフロントに集中していたのは、前からさくっとぶつかったというのもありますが、後部座席には荷物がたくさん乗っていたのでそれが転倒したときにクッションになってウィンカー類などが守られたようです。 いざ出発。走りながらライト類の点灯やブレーキの利き、エンジンの調子を再度確認したけど問題ナシ。( MOTOってスタイルの割にはかなり丈夫な子なのです)自分自身も走ることや止まることに対する恐怖感もなかったので、今日はこのまま富山方面まで走ることにしました。 というわけでツーリングは無事再開しましたけど、後の話はツーレポにて…。 |
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