房総ツーリング

2000/12/30

馬鹿騒ぎで始まった2000年もいよいよ押し詰まった12月30日。
師は走り、族も走り、父は大掃除に奔走し、母はおせちを作り、ハムスターはちょろちょろし、猫はこたつで長くなるというこんな時期にワタクシはツーリングに行くのでありました。

寒いことこの上ない朝の6:00。
『やっぱりやーめた、っと♪』と言えればどれだけ楽か、なんでこんな寒いときに走りに行かにゃならんのか釈然としない思いを抱きながら、完全防備でデブになったワタクシは出発したのであります。
本日の相棒はアフリカツインのS氏。着膨れのワタクシに更に一枚重ねた超完全防備のS氏はいわば『超デブ』。S氏さえいなけりゃ、今頃あったかい布団でおいしい食べ物の夢でも見ていた筈なのに・・・。じくじく。

『きっと房総まで行けばあったかくて、おいしいお魚も食べられて、お花も満開なのだ! 』と譫言のように唱えながらアクアラインを目指す。
うぅ、メットが曇って見にくいよぅ。ぐしゅ、指先の感覚がないよぅ。ずびび、鼻が垂れるよぅ。じくじく。
環七でじくじく。15号でじくじく。131号でもじくじく。
まだ走り出したばかりだというのに、完全に弱気になっているワタクシを救ったのは、やっとたどり着いた長くて長いアクアラインのトンネルなのでした。あ〜、あったか〜い。このまま一日中トンネルでもいい〜〜。ほわ〜。

・・・無情にもトンネルはあっという間に終わり、寒風吹きすさぶ『うみほたる』に到着。こんな寒い日にこんな所へやってくるぱーちくりんなバイクはいる訳もなく、二輪車用の駐車場には一台のバイクも停まっていなかった。
冬のツーリング、完全防備でモコモコしてバイクに乗っているときはいいんだけど、その格好でうろうろするのはとても恥ずかしいんだな。案の定、うみほたるでも浮きまくり。あちらは薄着でおしゃれなペアペアだけど、こちとらデブ×2ときたもんだ。うぅ、私だって脱げば小デブぐらいにはランクダウンするのにさ。

冬に走っていて不思議なのは、走っているときよりも休憩しているときの方が寒く感じること。何で?
うみほたるでせっかく体が温まったのに、再び自虐的行為へ。アクアラインの後半は海上を走るコース。寒いよ寒いよー、じくじく。
何せ寒かったことで頭が一杯で、どこの道を走ったか良く覚えていないのですよ。唯一覚えているのは、上り坂を登っていて、てっぺんに着いたら海が見えると思っていたら山並みが連々と見えたこと。うむむ、房総って思った以上に広いのね。
適当にくねくね走ったら外房の海へぽろりと出た。それからはおきまりのコース、海沿いをひたすら時計回りに進む。ぐるぐる。

予定外だったこと。
 ・天気予報では晴れと言っていたのに、曇ってること。
 ・房総半島は思っていたほど暖かくはなかったこと。
『晴れていれば、日南海岸とか伊豆に似てるのになぁ』と、想いを馳せながら未練たらしく走る。四国にも似たとこあったよなぁ。
ふと時計を見るとちょうど昼時、適当な飯屋を見つけたのでいそいそと入店。メニューを眺めていたら『?!』なもの発見!『磯野家スペシャル 』って、一体何さ?まぁうすうす想像はつくけど。真実をを明らかにすべく、食べてみたかったけど値段が張るので今回はパス。何たってスペシャルですからねっ、庶民に手は出ないのですよ。慎ましやかにボリューム重視の焼き魚定食と魚ロッケで我慢いたしませう。

さすがは房総の底力、千倉の辺りまで来たらいよいよ暖かくなってまいりました。実はこの辺、母の実家があったりして幼少の頃に何度か来たことがあるはずなのだけど、ちーとも覚えていないのですよ。どうやらおつむのネジはすでにこの頃からゆるかったみたいであります。あの頃は20年後に同じ場所をバイクで走るなんて、思いもしなかったなぁ。そもそもバイクなぞいう乗り物、認知してなかったけど。
そういえば最近発覚したことだけど、どうみても運動神経がトロそうな我が母、実は女学生の頃「自動車部」なるものに所属していて、千倉の砂浜をスクーターでウィリーしたという逸話を持っていたのだ。私が中学生になるまで自転車に乗れなかったあの母が・・・?!まぁでもそれ聞いてちょっと納得。私が何故かバイクに乗っていることも、運動神経トロいのに何故か大型ってことも。そういう遺伝子なのだな、きっと。

そんな母のリクエストを叶えるために、切り花即売所へ立ち寄る。
先日、房総に行く旨を話したら『それじゃあ 』と言って、財布をぱかっと開けたからてっきりお小遣いでもくれるのかと思ったら『花買ってきて。』だってさ。へっ。
適当な即売所で配送をお願いして立ち去ろうとしたら、店のオバチャンが『これ持っていきな』と言って花を一束くれた。喜んでバイクの所に戻ってS氏に自慢したら『なんでそんなもんもらって来るんだ!』と怒られた。『どうせ俺のバイクに乗せるつもりなんだろう!!』あはは、図星。『こっちには大量のワカメが乗ってるから駄目!!!』(←?)・・・ぶひ。しょうがないのでくくり紐借りてMOTOに乗せたんだけど、う〜、MOTOの座席のすてきなカーブに沿ってお花も曲がってるぅ〜(涙)

そういえば朝出発してから今まで、飯とトイレ以外はほとんど走りっぱなしだったような気がする。なので房総半島の最先端、野島埼でちょいと休憩です。(-.o-)zzz...

冬の日暮れはあっという間。
まだ日は高いけど、油断してたらすぐ真っ暗になって寒くなっちゃう。20:00までには家に着きたいから、逆算したら16:00前のフェリーに乗らなくちゃいけないみたい。むむむ、急がねば!
房総に来るときはいつも東京湾フェリーに乗ってる。35分と短い航路だけど休憩には丁度いい長さだし、中はあったかいし、食べるものもあるし、MOTOは650ccだから値段も高くないし・・・。
丁度15:40の船が出発する直前に金谷港に到着。
『650cc一枚お願いします』『1280円になります』
『749cc一枚お願いします』『1280円になります』
なぬ!!アフリカツインは750ccぢゃないのか?!S氏の言うことには、『正確に言うと749ccだから、750cc未満の料金でいいのだー』とのこと。うぅ。確かにそうかもしれないけど、納得できないぞ。それぢゃあワタクシが優越感に浸れないではないか。差額の270円で、なにか旨いものでも食わせなさいっ!

船の中で、帰り道をふむふむと検討。下道は混んでそうなのでパス。ほよ?この青い道は・・・?をを!横横から横新で三京で環八でビンゴではありませんか!なんだかとっても近いみたい。遠くて近い国、房総。いや、遠いという程でもないか。近くて近い国、房総。そのままじゃん。
で、船を下りてからその横横を目指して走ってたんだけど、走れども走れども案内が見つからない。行き先表示に葉山が出てきた辺りでやっとおかしいことに気がついた。(もうちょっと早く気付けってば。)引き返して無事横横入り口発見。
横横-横新-三京は順調にクリア。予定時間よりもだいぶ早い。『この分だったら19:00位には風呂屋に行ってぬくぬくできそうだニャ。今日は銭湯あいてるよねっ♪』と皮算用していたら案の定、環八がどえらい渋滞。
うっうっ、世の中にはそりゃ辛いことも数多あるけど、ツーリング帰りそれも家を目前にした渋滞って気分が滅入るもの。ホント、環八通る度に思うけど、外環道は早く作って欲しい。道路公団にいる先輩に直訴しちゃおうかな。

左手の筋肉がぷるぷるし始めた頃、ようやく見慣れた練馬インターの行き先表示が見えてきた。銭湯での至福のときを思い浮かべつつ、ワタクシは我が家に向かうのでありました。ほわわん♪