おでんツーリング

  2001/11/18

11月某日、都内某地である計画が発足。
M:I-2と命名されたその計画は秘密裏に進行し、首謀者某氏により構成員の選出が行われる。
某氏の白羽の矢が立ったというN氏が受け取った怪文書は以下のようなものであった。

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このミッションの最終目的はおでんをつつくことですが、
その目的地に着くまでには様々な困難が待ち受けていると思われます。
走行時の寒さ。もしかしたら路面の凍結、未舗装道路。

突破予定ルートは山梨県北部のクリスタルライン。
地図をご覧になればお分かりになると思いますが、
非常にぐねぐねとした道で、走れども走れども先に進まぬ魔のルートです。
そして当然道幅も狭く、山岳道路なので路肩から落ちれば
遙か彼方まで落下していくこと請け合いなのです。

過酷なルートのため、工作員はなるべく少ない人数でなければ
なりません。現在決まっている実行メンバーは2名。

作戦決行日は11月18日
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11月17日。
んー、結局るねるねは復活できないのか。残念。
しょーがない、いつもの面子(MOTO+AF2)で行きましょうかネ。
それにしても明日、天気は良さそうだけどめちゃめちゃ寒そう。山の道、凍結してないかな...朝も寒そうだな...早起きつらいな...山梨の山奥まで行くの、面倒だな...もっと近場に変更したいな...例えば秩父とか...。
そんなささやかな希望をAF2に伝えてみるも『秩父は混むからヤダ。荷物は全部こっちに積んで行くから、ちょっとぐらい凍結してても走れ!』と一蹴。...コケたらどーすんだよぅ、じくじく T_T)
でも暫くして、何を思ったか知らないけど手のひらスパーン!とひっくり返したように『やっぱ近場にする?』ですと。なんだよー、はじめからそう言えばいいじゃん。
そんなこんなで行き先を近場に変更した我々、めざましを6:00にセットして余裕綽々で眠りにつくのでありました。

朝6時。
RRRRRRR...目覚ましは正確に自分の仕事を全うするも、即刻黙らされる。ダメだ、眠くて起きられない...どうせ近場だから7時ぐらいに起きれば間に合うよね...ZZZ。
そして7時。
んんん〜、今の時間は道混んでるよね〜。もうちょっと様子見てかR...ZZZ。
さらに8時。
...今から準備したら出発は9時?いかん、いくらなんでももう起きねば!

準備はある程度昨日のうちに済ませておいたものの、食材だけは荷詰めしなくっちゃ。タコと餅巾着と糸こんにゃくと大根と...あ、バター焼きのマスとキノコもね。忘れ物はないかな?あ、バター忘れるとこだった、あぶないあぶない。
準備を慌ただしく済ませ、さあいでよMOTO。一ヶ月ぶりに乗るからちょっと心配だったけど、始動は至ってスムーズ。よしよし、MOTOもワタクシとの付き合い方が分かってきたようですな。

出発してすぐに関越道に乗って、突っ走ること約40分。思ったほど寒くない。まぁ時間が時間だからってこともあると思うけど。東京上空は雲が広がってるのに、向かう先はすっきりとした青空。なんだかこういうのって、ワクワク感が増してくる。あー、高速走ってるだけでも楽しさ満点。
本庄児玉の出口で降りたら、なんともケヤキの葉っぱの鮮やかなこと。紅葉にはもう遅いと思ってたけど、この辺はまだ見られるみたい。ちょっと得した気分。

街から畑、畑から山と景色は変わり、木々の色も緑から黄色、赤、茶色へ。低い山だからすごくきれいに紅葉してるわけじゃないけど、それでも所々目を奪われるところがある。きょろきょろとよそ見をしながら走ってたら意外とすぐに神流湖に到着。あらら、もう着いちゃったの?
時刻は11時半。準備に取りかかるにはいい時間です。と思ったら、目的地はここではないそうな。もっと奥の方の枝道を行ったところにある自然体験村だってさ。ちぇっ、おでんはまだ先なのね。

『すぐ着くから』の言葉を信じて走るものの、肝心な枝道がなかなか見つからない。引き返して念入りに探すと見つかったのはいいんだけど、土砂崩れのため通行禁止...イヤーン。
それじゃあということで、湖の対岸でステキな場所を探すことに。赤い鉄橋を渡り、対岸の湖岸を走りましょうと思ったら...うそーん、こっちも通行禁止 T_T)
2度の通行止めとおでんが遠のいたショックで、紅葉と赤い橋のステキな写真を撮るのも忘れました。さらにショック。

ハラペコでだんだん機嫌が悪くなってきたワタクシ、『もうあそこでおでんする!』と指さしたのは城峰公園。公園だったら広場もあるし、見つからなければ火を使っても良さそうだし。
有無をいわさず公園へ向かうも、運がいいのか悪いのか、そこは冬桜が見頃らしく沢山の人がいる。...これじゃあこっそりどころのオハナシじゃありませんよ T_T)

時刻はもう13時半。帰りのことを考えるともうそろそろ場所を決めないと...。あてどもなく山を越え、川沿いをだらだら走ってたら、川向こうに良さげな東屋発見。もうここしかないでしょ。道行く人から丸見えのロケーションだけど、背に腹は代えられぬ。住めば都と申しますし。

いそいそとおでんの用意。んが、ここで打ちのめされるワタクシ。くぅー、せっかく買っておいた比内鶏のスープ、持ってこなかったよ...。これはかなりの痛手。免許証忘れたのはどうでもいいとして(また忘れたのね)、これだけはと思ってたのにー。
無いものはしょうがない、昆布だしと鰹だしで我慢ガマン。

今日のメニューは当然おでん。副菜にマスとキノコのホイル焼き。もちろん白飯もね。一度に3つのガスの面倒を見てて、ちょっと火を弱めようと思って調整つまみをつまんだら
 じゅっ『あっ、あつっ!』
熱いやんけ!って思ってよく見たら、つまみと間違えてゴトクつまんでました。おっさん大爆笑。むっ、ちょっとは心配してよ。ぷんっ!

はやる気持ちを押さえつつ、おでんを写真撮影。では早速いただきまーす。むぐむぐむぐむぐむぐむぐ、ウマー!やっぱり寒い日はおでんが旨いです。ホイル焼きも期待以上にウマウマっと仕上がってます。むぐむぐむぐ...。
今日はおでんのためだけに走ってるけど、たまにはこういうのもいいなぁ。近場でメシだけのために走るツーリング。また絶対やろっと。むぐむぐ。あ、その魚河岸揚げ、ワタクシのですからねっ。むぐむぐ。

はー、旨かった。しばらく食休み取ったら、後片づけしますか。あ、みかん持って来たんだっけ、どこだっけか?
 がしゃーん『あっ、あつっ!』
...呆然。よりによって『熱くてあぶないからおでんの鍋はこっちに置いとこう』って置いといた鍋を蹴飛ばすとは。しかも残り汁がブーツにびっちょりかかってるし。 T_T)

4時になったらいよいよ空気が冷たくなってきました。早く帰らなきゃ渋滞に巻き込まれてひどい目に遭うし、って、もうこの時間じゃ高速は大渋滞だと思うんだけどね。
高速に向かって畑の中を走ってたら、行く手にオレンジ色の看板のコンビニがあった。ん?あれってあのコンビニに似てるけど...でもこんなところにあるわけないし...でも...。
通り過ぎるときになってやっと確認。北海道に行ったことのある人は皆お世話になっている、セイコーマートが何故か埼玉の畑の真ん中にあるのですよ。あらびっくり。本州に進出しているという情報は知っていたけど、まさかこんなところにあるとは。

ようやくたどり着いた高速、乗ったはいいもののすぐに渋滞。すり抜けすり抜けで通過はするものの精神的に非常に疲れる。これが練馬の出口まで続くとはなんたるコト!もううんざりして衝動的に鶴ヶ島で降りて、下道で行くことにしたんだけどこれはこれで空いてるわけじゃないし道には迷うしであんまりいいことはなかった。信号ばっかりでstop&goの連続。もう左手のチカラが抜けそう...寒さで肩もこるし。『無策の策』ってことでおとなしくすり抜けしてった方が良かったのかも、なんて考えつつ勝手に高速を降りたAF2を恨みがましく思うのでした。

M:I-2、これにて一件落着。

■おまけ■
このツーレポ書くにあたって、『神流湖』のキーワードでGoogle検索したところ、たくさん情報が出てきました。
心霊現象の噂が
特にワタクシが写真を取り損なった赤い橋の辺りがあたりが一番出るんだそうな。
...行く前に発見しなくて良かったと心から思った今日この頃 -_-;)


■おまけのおまけ■
その後の調べにより、我々が通った橋と、問題の橋は違う橋だったことが判明。よかった、一安心。
と思いきや、AF2がトンデモナイことを言いやがりました。
曰く『橋渡ってあっち側に行ってから、なんだか走ってて気持ちが悪いなぁとは思ってたんだけどね。あ、あとトンネルの中でおばあさんが歩いてるの見なかった?暗くて影しか見えなかったんだけど。あれ、ホンモノのおばあさんだったのかなぁ...』
...ノーコメント。

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