伊豆ツーリング

  2001/12/1

今日から12月。暦はもう冬だというのに、懲りずにキャンプに行こうとする阿呆な輩がここに2人。

冬の朝5時といえば、まだ日の出前で外は真っ暗。いつもならまだまだ寝ている時間に突然むっくり起きだしたもんだから、一緒に寝ている猫も寝ぼけ眼で布団から転がり出る。んー、まだ眠そうな顔。許せ、眠いのはワタクシも一緒なのだよ。
週のはじめ頃からひいている風邪が治りきっていないので、寒さ対策は万全にね。上はゴアテックスのマウンテンパーカー、フリース、セーター、ブレスサーモで合計4枚重ね。下はジーンズにフリーススパッツ、ニーソックスの重ね履き。お腹には白金カイロ、首にはネック&フェイスウォーマー。うーむ、完璧です。鏡に映った姿は当社比1.5倍ほどの小デブちゃんだけど、冬のバイク乗りはたいていこんなもんでしょ。

キャリアを装着して逞しくなったMOTOに荷物を積む。今まではバランスを取るのに四苦八苦だったのに、楽々と積載完了。と、見るとAF2が荷物積むのに苦戦している模様。ワタクシ、余裕の笑みで『そのテント積んで差し上げても良くってよ』って申し出たのに『...いいっ』だってさ。フンッ!

空が白み始める6時頃、ようやく出発。いつもなら関越道ですーいすいっ、って行っちゃうんだけど目的地が伊豆となるとそうはいかない。こんな時間でもみっちり渋滞している環八を通ってやっとのことで東名へ。東名に乗ったら一気に海老名SAを目指す。一部の人々の間で噂になっているクリームメロンパンとやらを食べるという任務が私を待っている。

今回のツーリングのために買い求めたハイテクインナー、ブレスサーモ。汗を吸って発熱するというふれこみに惹かれて期待大で買い求めたんだけど、大きな誤算がありました。これ、要は汗をかかなければ発熱しないってコトなんですが、高速を走ってるときは汗をかいてない、すなわち発熱しないってことなんですよ。...誰カ嘘ダト言ッテ。いや、でもババシャツよりは暖かいからそれだけでもヨシとしましょう。ひゅるるる〜T_T)

海老名到着。世の中には結構阿呆な輩が多いようで、たくさんバイクが停まってた。いや、そんなことよりメロンパン。風邪気味で若干調子の悪い鼻センサーだけど、即座にパン屋『ぽるとがる』を発見。目当てのメロンパンはクリーム入りとクリームなしがあったけど、迷わずクリーム入りを選択。さて、いよいよ頂きますよ。ぱくっ...甘っ、でもウマー。口の周りが粉砂糖で真っ白になるのも気にせず、ひたすら食べる。はぐはぐはぐ...。さて、甘いものを食べた後はやっぱりからいもの。かき揚げそばでもつるっとしますかね。

海老名を出発したら厚木から分岐して小田厚道路へ。なんだか高速とも一般道ともつかない、中途半端な感じの道。伊豆に近くなってきたからなのか、太陽が昇ってきたからなのかは分からないけど、寒さがゆるやかになってきた。見上げれば雲一つない青空が広がってる。冬ってツーリングしない人が多いけど、一年のなかで一番天気が安定してるのって冬なんだよね。雨もあんまり降らないし。だからある意味ツーリングには向いてる季節なのかもしれない。あ、これって太平洋側の人だけか。

小田厚道路からそのまま真鶴道路、熱海ビーチラインを通って一気に熱海へ。熱海といえば...うふふ、アレですよアレ。オトナのたしなみ、ヒホーカンですよ。おこちゃまは入っちゃ行けないアダルトミュージアム、行くっきゃないでしょ。
券売場で『オトナ2枚』って言ったけど、そういえばコドモは入っちゃいけないんだっけ。で、肝心な展示物なのですが...@_@)とか☆_☆) とか-_-;)なものばかり。うーむ、これで1,700円はどうなの?B級通り越してC級スポットですなこりゃ。

熱海からは海沿いを通ってそのまま石廊崎へ...のつもりが『旧天城トンネル行くから』だって。え?だってあそこはダートじゃなかったっけ?それにこの世の者でないモノが出るっていうし、それにあの、その...。問答無用で連行されました。T_T)
マップルには『オンでも大丈夫』って書いてあるけど、うまい人ならそりゃあ大丈夫でしょうよ...sigh。紅葉を楽しむおばちゃん達を蹴散らし、集中力120%でダートを走る。うわぁ石が轍が枝が落ち葉がー!

手に汗握ってようやくたどり着いた旧天城トンネル。さて証拠の記念撮影でも...と思ってたのに、無情にもAF2、さっさと先に進みやがりました。
トンネルの中は狭くて暗くて閉塞感があったけど、気持ち悪いとか不気味という感じはしなかった。ただ
MOTOのライトで浮かび上がるじさまばさまにドキドキはしたけどね。だってこの世の者だかそうじゃないんだか、すぐには見分けが付かないんですもの。
途中、何台かのオフ車に抜かれながらも無事ダート脱出。ここ、軽いオフ車でだったらもう一回ぐらい来てもいいかな。

そろそろ今日のキャンプ場を決めましょうか。南伊豆って、冬のキャンプにはもってこいのロケーションなのに、あんまりいいキャンプ場がないんだなぁ。いくつか調べたけど、どれもこれもオートキャンプ場で値段が高め。むー、バイクで行くと割高なのね...でも背に腹は代えられぬ。『キャンピングリゾート雲見』、ここにしよう。海の見える風呂がキャンプ場の中にあるそうで、ちょっと楽しみ。

石廊崎は人が多そうだからパスして、下田からまっすぐ西へ。ちょっと迷ったけど3時半頃キャンプ場に到着。ここのキャンプ場は以前段々畑だったそうで、テントサイトは階段状。通路が細く、車は乗り付けできないので荷物は工事用一輪車でピストン輸送。なんかちょっとおもしろい。
特筆すべきは抜群のロケーション。切り立った崖の上にあるキャンプ場だから、海はモチロンのこと富士山や清水の街まで見渡せるのです。そして風呂からも同じ景色が望めるとなれば、言うことナシでしょ。ちなみにこのお風呂、30分交代の貸し切り制なのです。ということは、夕日の時間に合わせて予約を取れば、優雅にお風呂から夕日を眺められる...なんてゼイタクなんでしょう。もちろんすぐに予約予約!

...木が邪魔で、お風呂から夕日見えませんでした。ああなんて哀しや計算違い... T_T)

気を取り直して夕飯の準備。今日のメニューは当然干物でしょ。あとはイカの炒め物とけんちんちからうどん。ポテトサラダ。当然白飯。え、うどんと白飯?...いいんですよ!今日は昼飯食べてないから2食分たべてもいいんです。
あー、干物ってやっぱりご飯に合いますなー。うどんも体があったまるし、イカも旨いしで言うことナシだね、酒さえあれば。(買うの忘れた。T_T)

冬のキャンプということで、寝支度には万全を期さねばなりません。シュラフは3シーズン用の羽毛+封筒型の2枚重ね。足の裏にはカイロを貼って、ありったけの衣類を重ね着。寝る直前にもう一度風呂に入って寝袋に入ったら、あっという間に意識が朦朧としてきて...zzz。

  


2001/12/2

朝は自分の寝汗で目が覚めた。どうやら覚悟していたほどの寒さではなかったみたい。テントの外はむしろ気持ちいいぐらいの気温。手早く朝食を済ませてちょっとお散歩してみる。
このキャンプ場には小さな展望台もあって、あまり期待しないで登ってみたんだけど、これがまた絶景。昨日の夕焼けもここから見たらさぞかし綺麗だったろうに...惜しいことをしました。フと振り返ればそこには朝の澄んだ空気にそそり立つ富士山の姿。やっぱり富士山は冬が一番キレイだね。

9時半頃キャンプ場を出発し、マーガレットラインを北上。ここの道、道路ぎわ至る所に白い彫像が配置されてるんだけど、なんかこういうセンスってビンボーくさい。まぁある意味伊豆っぽいと言えないこともないんだけど。海沿いをずーっと走って土肥のあたりから内陸へ入り、西伊豆スカイラインへと向かう。

西伊豆スカイラインに入って少し走ると、展望駐車場があったので一休み。売店で甘酒とみそおでんを買って犬と戯れる。どうやらここは定番の休憩スポットらしく、速そうなバイクが何台も到着してはまた走り出していった。キャンプ道具を積んでるのは当然我々だけで、ちょっと場違い?そそくさと駐車場を出発してちんたら走っていると、さっきの速そうな方々がすごいスピードで追い抜いてった。狭い日本、そんなに急いでドコへ行く。あんまり急ぎすぎるとあの世に行っちゃいますよ〜。

ワタクシはワタクシ。自分のペースでカメのように走ってたら前方のカーブにバイクが倒れてるのを発見。近くには腕を押さえて苦しそうに立ってる人と、その人の面倒をみてる人がいる。よく見たらこのバイク、さっき我々を抜いて行ったバイクだ。どうやらこの人グループの最後尾を走っていたようで、仲間達は気付かず先に行ってしまったらしい。面倒をみているのはたまたま通りかかったソロのライダーさん。
我々も何かお役に立てることはないかと思って急いで停まる。AF2は仲間の人に知らせるためにバイクを走らせ、ワタクシは道路にちらばったパーツとか荷物を拾う。ソロのライダーさんは交通整理。

幸い仲間の方もすぐに駆けつけたので、あとの処理はおまかせしてその場を立ち去ったんだけど、バイクの事故ってはじめて遭遇したから改めてバイクの怖さを実感。自分も痛いし、家族も心配するし、バイクもかわいそう。十分気を付けて走らなきゃ...と、安全運転を心掛けてたらAF2に『いくら気を付けているとはいえ、走るの遅すぎ!』って文句つけられた。なんだよぅ、自分だっていつもよりたくさんブレーキ踏んでたくせに。知ってるんだぞっ。

西伊豆スカイラインを抜けたらまた海沿いに北上。目指すはあわしまマリンパーク。やはりワタクシ、海の哺乳類としましては仲間にご挨拶しとかないとね。
盛り塩みたいなカタチの淡島は、島全体がレジャー施設になっておりまして日本最初?の海上ロープウェーで島に渡るのです。島の中は水族館やワンワン広場、アシカショー、イルカショー、自然遊歩道など盛りだくさん。
駐車場にバイクを停めてたら係のおっちゃんが申し訳なさそうに『マリンパークの割引券あげるから駐車場代、2台で500円ちょうだい』って寄ってきた。割引券使うと一人300円安くなるから、2人分で600円。おお、駐車場代差し引いても100円のお得ではないですか。おっちゃんありがとね。

昨日のヒホーカンもそうだったけど、ここもまたB級スポットのにおいプンプン。まぁでも地方の水族館はたいていこんなもんでしょう。犬と遊べるというワンワン広場はちょうど開放時間が終わっちゃうところで、犬はさわれずじまい。ううう、楽しみにしてたのに...T_T)
気を取り直してアシカショー。んー、芸のアレンジがまだまだですな。アシカも2頭しか出てこないし。次、イルカショー...はありがちだから見なくていいや。水族館の展示動物も、これといって目新しいモノはいないけど、唯一嬉しかったのはウミウシがいたこと。小さくてキレイでかわいいウミウシ、これはオススメの一品。

さて、腹も減ってきましたので沼津で魚でもウマウマッ、としますか。沼津港のあたりには新鮮でおいしい店が並ぶ一角がありまして、向かうは当然そこなのです。寿司もいいけど、刺身もいいなぁ。いや、でも腹減ったから定食かな、なんて思いながら何軒かを覗いてみる。その中に一軒、すごいボリュームで安い店があったんだけど、案の定待ち時間が長そうだったので泣く泣く諦め、別の店へ。
んー、何食べようかな。寿司、刺身定食、ねぎとろ丼、焼き魚、どれも魅力的だけど、ここであえてマイナーなものにチャレンジするのが食の楽しみってもんでしょ。このはじっこに書いてある沼津丼にしよっと。

沼津丼、大当たり。あじの干物を炊き込んだご飯の上に、あじのたたきと釜揚げ桜エビとシラウオがてんこ盛り。地味だけど、土地に根ざしたメニューって好感が持てるので大好きなのです。
そろそろ帰らないと高速の渋滞がはじまっちゃう。おみやげの干物を買って早く帰らなきゃ。

と思って帰途についたら案の定すでに渋滞はじまってるし。T_T)気を使うからあんまりやりたくないんだけど、すり抜けすり抜けで先を急ぐ。あー、許されるものなら路側帯走りたい...せめて渋滞の時だけはバイクに開放してくれないかしらん。途中、SAに寄り道もしないで一気に来ちゃったんだけどちょっと後悔。高速降りたら降りたで、また環八が混み混みなんだろうなぁ。せめてSAで休憩取っておけば良かった...。そんなことを考えながら渋滞にもまれつつ、我が家を目指すのでありました。