かき氷ツーリング

2004/4/3

4月の第一週といえば、お花見の季節です。そしてモーターサイクルショーの季節です。でもでも私にはもっと大切な用があるのです。それはかき氷。知る人ぞ知る長瀞の有名なかき氷屋さん、『阿佐美冷蔵』のかき氷。昨年の夏からずーっと食べたいと思ってたけどなかなか行く機会がなく、秋になり冬が過ぎ…。噂によるとそのかき氷屋さん、夏には1時間の行列ができるとのこと。炎天下そんなに待つのはゴメンなので、春のぽかぽか陽気に後押しされて一路秩父路へ。

今回のもくろみ。
1.なにはともあれかき氷を食べなくちゃ。
2.こないだ買ったステキな椅子携えて、どっか景色のいいところでマッタリお茶でも飲みますか。
3.じゃあせっかくだから秘蔵の南部鉄瓶でお茶入れちゃう?
4.ってことはお茶請けには昨日買った『吉野くず餅』で決まりだね。

さて当日の朝。お約束の朝寝坊カマして6時出発のはずが7時過ぎ起床(-_-;)それから準備をしてすぐに出発…できればいいんだけど、久しぶりのツーリングなもんだからやれシェラカップが無いだのベストが無いだの地図が無いだので準備に手間取り、家を出たのは結局8時すぎ。我が家のツーリングにおいては8時以降の出発なんて普通はあり得ないけど、今回は近場だし最悪かき氷だけ食べて帰ってきてもいいんだし、お気楽極楽ツーリング(^ ^)

道ばたの小さき花。関越練馬インターから高速に乗り、途中高坂SAで朝ご飯食べて花園ICから下道へ。秩父は山だから、とバッチリ冬装備で固めてきたけど日差しはぽかぽか暖かく、風もほとんどない。走ってる間は丁度いいんだけど渋滞でもたもたしてるとじっとり汗ばんでくるぐらい。もうちょっと薄着でもよかったかなぁとやや後悔。
ICからは140号をひたすら進んで目的地のかき氷屋さんに行くつもりだったけど、寄居過ぎたあたりから渋滞していて、きっとこの先ずっとそうなんだろうなと判断したのでルート変更、釜伏峠越えて140号に抜けることに決定。

釜伏峠に至る道は「ホントにこれでいいの?」ってぐらい細くて地味な道で、でも上に上に向かっているから多分あってるんだろうなぁと思いつつ、くねくね上っていくと急に視界が開けたところに到着。そこには展望台があって、道の反対側には公園らしきものがある。前を行く車が次々と吸い込まれていくので我々も後に続いてみることに。

そしたらこれがまぁなんと、知る人ぞ知るといった感じの桜のキレイな公園で、まさに今が満開。多分地元の人しか来てないようで、駐車場に停まってる車も5〜6台。いやいやいや、これはこれはええとこ見つけましたよ。コンコンコン…って音がするから見上げてみたら、コゲラみたいな鳥が幹をつついてる。遠くの方でブンブンいってる音は、どうやら近くの養蜂場の羽音かな。そんな音が鮮明に聞こえるくらい静かでのんびりした公園で、なんだかとっても気に入ってしまいました。

中間平緑地公園。ここからちょっといったところに
100名水に選ばれたという「日本水(やまとみず)」があるとのこと。
行ってみたい…。

そうだ!ここでお茶してくず餅食べたらええんでないの?
おっさんに提案しようと振り返ったら何故か浮かない顔。そして一言、「忘れたかも…」って、一体何を?(-_-;)くず餅食べるお箸のこと?それとも…「マッチとかライターが無いかもしれん」

Σ( ̄□ ̄;)それはゆゆしき一大事、もしホントにそうならば傷の浅いうちに(?)確認しておかねばなるまいて。で、お茶道具入れたバッグをごそごそ漁るうちに衝撃の事実発覚。「ない!」あー、やっぱりね。でもマッチかライターならどっかで手に入るだろうs「バーナー自体がない…」はっ?え?だって朝出してたの私見たけど?「でも入ってない…」ってことは、どう頑張ってもステキティータイムは実現不可能ってことね(T_T)可哀想な椅子と南部鉄瓶とくず餅ちゃん、まるで役立たずのお荷物決定です。普通ならここで「この段取り悪オトコが!」「まかせっきりのお前が悪いんじゃ!」となるんだろうけど、「でもキャンプの時じゃなくて良かったじゃん♪」「そりゃそーだ♪」のプラス思考な人たち。仲善きことは美しき哉。

気を取り直して再び辺り散策。道挟んで公園の反対側にある「関東平野が一望できます」というふれこみの展望台からの眺めは確かに広々していて、秩父からこんなに見渡せるるものなのかと感心したけど、でも足下にあった案内図みたら見えてる範囲って埼玉県だけじゃんか。

のども渇いてきたし、ぼちぼちかき氷屋さんに向かいますかね。釜伏峠越えてくねくね道下って140号に出てちょっと北上したらあっさりと目指す氷屋さん発見。

この氷屋さん、注目すべきはかき氷だけではなく、佇まいまでも趣があって入り口からして胸躍るものがあるのです。中に入ると中庭みたいなところに椅子とテーブルとパラソルがあって、建物の縁側にはかわいいミニチュアダックスが気持ちよさそうにお昼寝していました。

この日のメニューは野いちご、蜂蜜レモン、梅酒、さくら、あずき、宇治金時、懐かしキャラメルなどなど。ホントは梅酒が食べたかったんだけど、酔うこと確実なので断念。私は蜂蜜レモン、おっさんは野いちごをオーダー。

でかっ!てんこ盛りです。早速食べてみましょう…うまっ!さすがは天然氷、舌触りと味が全然違います。口に入れたとき、かき氷特有のザラザラ感は全然無くてふわっと舌の上で融けてあっという間に跡形もなく消えてしまいます。これは本当においしいです。そして普通のかき氷なら食べてる間に表面や下の方が融けてきてしまうのに、もたもた食べていてもほとんど融けないのが不思議。お口で溶けて手で溶けない、まるでM&Mのようです。(一緒にするなって?)時に夢中で頬張り、時によそ見をしながらいつのまにか完食。これで一つ500円は破格。

左:自由に飲んでいい天然水。右:昔の道具が壁にディスプレイ。

ここのオーナーの方も気さくな感じの人で、来るお客さんみんなに声を掛けていました。私も「ぶどう酒がある季節にまた来ます」と言って氷屋さんを後に。

さてこの後のルートはどうしましょ。秩父で蕎麦でも食べてだらだら青梅方面に抜けて圏央道に乗ってさっさと帰りますかね。そうと決まれば140号をだらだら南下。しかし秩父付近の渋滞にハマってうんざりして道の駅ちちぶに避難。その道の駅の隣にあるガーデニング屋さんみたいなところで箸にも棒にもかからないようなバイキングでお昼済ませたらモーレツな眠気に襲われて、そこの通路のベンチで30分ぐらいお昼寝。

残りの行程は消化試合みたいなものだからよく覚えてないんだけど、多分299号から正丸トンネル入らずに峠を越えて多分青梅方面に向かってたはずがいつの間にか入間も越えてて、結局高速乗らずに下道でそのまま帰ってきたような気がする。あ、そうそう。正丸峠の途中で湧き水があったからせめて家で茶を入れて飲もうと思ってマルキルでお持ち帰りしました(^ ^)

相変わらず後半は駆け足だけどこれにて終了。

【おまけ】
おっさんのうっかりで役立たずと化した南部鉄瓶とくず餅。汲んできた水使って家で改めてティータイムの図。鉄茶瓶ってはじめて使ったんだけど、水の味が全然違う。お茶入れても苦くないし、後味すっきりとってもまろやか。道具が違うとこんなにも味が変わるのかとビックリ。吉野くず餅もとっても美味で、あのステキな公園で食べたならどんなにおいしかったことだろうと小声でネチネチつぶやいてみたり。