※Daily MOTOで小出しに書いてたレポをまとめたものです。


◆行くまでの経緯◆

もともとはちょっと早めの紅葉を見に行こうと思っていて、頑張って岐阜あたりまで足を伸ばそうと思ってました。でも初めに目星をつけたキャンプ場に問い合わせたら夏期のみ営業、次に目星をつけたキャンプ場に問い合わせたら「現在熊出没中」とのこと。「キャンプするなとは言わないけどオススメはしない」と言われ、それでも他のキャンパーがいるならちょっとは安心かと思いきや「今の季節キャンプする人はほとんどいない」と畳みかけられる始末。行ったらもれなくターゲットになるっちうことですね(-_-;)

キャンプ場に食べ物を一切持ち込まなければ多少は安全かもしれないけど、我が家のキャンプにおいて食事が貧相などということはあってはならんことなのです。予定では七輪で飛騨牛をじゅうじゅうするつもりだったし←やったらもれなく熊召還
しかも間の悪いことにお天気も下り坂らしい。ことによっては土曜の夜から降るかもしれず、これだけ悪条件が揃ったらキャンプも諦めますってば。

じゃあどうするか。すでに気持ちは飛騨牛のスイッチが入っており、これをリセットするのは至難の技。あれこれ代替えプランを考えるもどれもこれも決定打に欠け、「今回は家でおとなしくしてるか〜」と思い始めた矢先、思い出したものがありました。

【朱雀】
栗菓子の老舗「小布施堂」で季節限定で供されるお菓子。しかもいい栗が入ったときしか食べることができないという非常にレア度の高い逸品なのだとか。ちっちさんが先日食べに行くも、空振りに終わったらしい。


コレ、ググってみたらモンブランの親分みたいな感じでシンプルでおいしそう。むむっ、是非食べてみたいっ!小布施といえば長野、長野といえば今は新蕎麦の季節でもあるわけで、ついでにおいしいおやきなんかも食べちゃったら新蕎麦-おやき-朱雀のトリプルコンボでいいんじゃない?!あの辺の宿なら食事がおいしくて量も多いところの心当たりもあるし。

こうなりゃ北信うまいもんツーと称して日頃のダイエットも忘れ、がっつり食べまくりますとも!ええ!


10月2日

朝5時半出発。今回は宿に泊まるので荷物はいつもに比べてとても小さくてかなり違和感。いかにいつも荷物を積んでいるかを改めて実感した瞬間。考えてみるとはじめから宿に泊まる予定のツーリングって今回初めてかも。

この季節になると朝の高速は結構寒い。特に中央道の八王子から山梨に至るくねくねの辺り。寒くて辛いときのテーマソング「神田川」を歌いながら耐える。双葉SAで朝ご飯、諏訪SAで給油して豊科ICで下道へ。

天気は上々。朝の寒さが嘘のように気温はぐんぐん上がり、じっとしてると暑いくらい。豊科からは白馬方面に向かってR148で北上。途中のホームセンターで雨対策のゴム手袋を入手。はじめうちのおっさんが物色しているのを見て「え〜っ」って思ったけど、軍手と二枚重ねにしたら結構使えそう。土木作業用の滑り止めがついたものを査収。お値段もリーズナブルでお財布にもやさしい。

白馬を越えたらR406で鬼無里方面へ。鬼無里に至る途中に本日最初のイベント、新蕎麦を頂。。。くはずのお店が潰れてました(T_T)へんなところにある小さい店だからいつか潰れるとは思っていたけど、潰れる前にもう一度だけ食べたかった。さよなら私の特撰蕎麦。。。

気を取り直して鬼無里(きなさ)へ向かう。鬼無里はその響きが独特で、とても物語を感じさせる地名なので結構興味を惹かれるのです。ついでにこの地は4年前、四国から東京までツーリングしたときに転けてクラッチレバーを折った場所でもあるわけで。。。(^ ^;)走っていたらその時のことが思い出されていつもより3割増しでギクシャク走る。

村に入ってしばらく走ると新蕎麦ののぼり発見。様子をうかがってみるとなかなか雰囲気のある店構えだったので入ってみることに。

みそ田楽と木の実そばをオーダー。店内には囲炉裏があり、囲炉裏端でも食べられる。柱も梁も黒光りしてとてもいい感じ。いいなぁ、こういう家に住んでみたい(>_<)出てきた蕎麦はするすると口当たりのいい、洗練された新蕎麦。ボクボクした無骨な蕎麦も好きだけど、こういう滑らかな蕎麦も結構好き。つゆの中に入っている胡桃や胡麻、落花生(?)の食感も楽しいし香ばしくておいしい。あっちゅーまに完食。大盛りにしとけば良かったかも。

さぁ、次はおいしいおやき屋さんをこらしめに行くのだッ!

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鬼無里はちょうど稲刈りの季節。刈り取った稲束が吊して干してある風景は日本の秋をしみじみ感じさせられます。早くおいしいお米になって私の胃袋に届きますように♪

さて、次なる獲物のおやきですが、ハギさんに先読みされたようですね(^ ^;)
はい、いろは堂です。

4年前にも店の前を通ってるはずだけど、混んでたか休みだったかで食べられなかったので今回が初来店。ショーウィンドウに並ぶおやきを見て感動。だって本当に焼いてあるんだもの。おやきは焼いてあってこそおやきだと思ってるんだけど、その辺で売っているおやきはだいたい蒸してあって「おやき」ならぬ「おむし」になってる。それが個人的にとても不満なんだけど、ここのおやきは表面にまんべんなくきつね色に焦げていてとてもおいしそう。くーっ、たまらんっ!3つくださいっ!

3つ頼んだはずなのに4つ。。。?おねえさんに問うてみたら「一つサービスです」だって。ンもう、大好き♪

さてさてお味の方ですが、はっきり申しましょう。これはおやきの範疇越えてます。カリッと焦げた香ばしい表面、ナンのようにもっちりふんわりとした弾力のある皮、素材の持ち味としゃっきり感を生かしたさっぱりした味付けの具。完璧です。 まさにメタおやき。4つを二人で分けたのでは満足に程遠いです。もっと私におやきを!

。。。でも朱雀が後に控えているので泣く泣く諦めました。この無念は通販で晴らすことにしましょう。

ところでこのいろは堂の店内に飾ってあったオリジナルのスノボがとてもいい感じ。先日訪れた長野・善光寺前にある八幡屋礒五郎にも同じようにスノボが飾ってあって、それもとてもステキだった。私はスノボやらないんだけど、これだったら欲しいかも。調べたら共にwebで購入できるらしく、うちのおっさんが食い入るように見てました。興味のある方は是非是非。

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新蕎麦に続いておやきで腹を満たした後は今回のツーリングの大目標、小布施堂の朱雀を制覇するのみ。 気付けば空一面に広がる低い雲を見上げ、「まだ降りませんように」と祈りつつ長野を抜けて小布施へ向かう。

駐車場にMOTOを停めて目指すは小布施堂まっしぐら。店の前で喫茶の案内をしているおねーさんに「朱雀はドコで食べられますかッ!?」と鼻息荒く訪ねると「ハイ、朱雀はあちら本店で。。。」と教えてくれたんだけど、後ろに控えていた多分ベテランのおねーさんがその言葉を遮って「朱雀は平日のみになります」と、なんともショッキングな事実を教えてくれました。

。。。それって今日は食べられないってことですかぁぁぁーーーーーーーーー(絶叫)

不覚にも涙ぐみそうになりつつも(実話)自分の目で真実を確かめるべく小布施堂本店へ向かう。喫茶コーナー入り口のメニューをめくるも朱雀の文字は見あたらず。心の中で慟哭。

打ちひしがれつつも朱雀に代わるなにかを食べないと気が済まないので、ステキなスイーツを求めてその辺を徘徊。しかし一度盛り上がった朱雀熱、そう簡単に冷めるものではなく、どれもこれもあまり心惹かれない。でもまぁいいやと妥協して栗あんみつを頂く。



普通においしゅうございました。以上。

あ、そうそう。もしかしてあるんじゃないかと思っていたものが小布施堂にもありました。オリジナルデザインのスノボ。調べてみたら「北信の老舗3店限定ウンヌン・・・」という記述を見つけたので、これでビンゴっぽい。個人的には八幡屋礒五郎のが一番スキかなぁ。

そうこうしているうちに空模様は雨が降るのが先か、宿に着くのが先かというくらい凄く微妙になってきた。念のためにカッパを着込んで本日のお宿、野沢温泉へ。

本日の宿は野沢温泉の民宿『リゾートインあべ』。リゾートとか名前に付いてるけど、まぁ普通のスキー宿。ここは4年前、大雨に打ちひしがれながら這々の体で辿り着いた宿でして、乾燥室でカッパ干してもらったり食事もおいしかったし量も多かったので、結構好印象だったから機会があればまた泊まりたいと思ってました。しかも最近HPをチェックしたらバイクが置ける屋根付きガレージなんかも完成していて、雨降りの時の宿泊にはもってこい。

部屋に荷物置いたら外湯巡り。おやじさんに外湯のこといろいろ訪ねたら、公衆浴場(有料)の年間パスポートを貸してくれました。ありがたや〜(-人-)野沢温泉にいくつかある外湯は洗い場に石鹸などの備品が置いてないので、こういう有料のところで頭と体を洗ってから外湯を巡ると石鹸を持ち歩かなくて済むのです。この日入った外湯は十王堂の湯と新田の湯。個人的には十王堂の湯みたいな雰囲気がスキ。昭和40年代っぽい雰囲気のタイル張りで、浴室と脱衣所が一緒になってる。はじめはこの作りにビックリしたけど考えてみたらこれでも不都合は無いわけで、むしろ防犯のこと考えたら目が行き届く分、むしろ好都合なのかも。

夕飯は期待通りの大容量。久しぶりに食べた馬刺、んまかったです。ちなみに食事の写真はナシ。撮るのも忘れて夢中で食べてたもんで。。。(^ ^;)この日は我々以外にもバイクで来たグループがいて、耳をそばだててみるととても初々しい会話をしていて新鮮。そっか、普通のオフ会の会話ってこういうものなのかぁ。私が参加するキャンプオフの話題はいつも濃厚な話ばかり(しかもバイク以外の話が8割)で、それが普通と思ってたけどどうやら普通ではないらしい。おかしな人たちばかりが集まるからしょうがないんだけど。

食事後は娯楽室のマッサージ椅子を占領して全身骨抜きでふにゃふにゃ。これもまたこの宿をおすすめする理由の一つだったりします←マッサージ椅子好き


10月3日

おやじさんの話だと今日は朝市が立つらしく、朝風呂も兼ねて冷やかしに行くことにする。市に並んでいるのは漬け物とかが多かったけど、いろいろ吟味してむかごとアップルパイとヨーグルトを購入。この日入った外湯は大湯と松葉の湯。大湯は一番有名な外湯で、朝といえどもやっぱり混んでる。そしてお湯が熱すぎる。昨日の外湯もそうだったけど、野沢温泉は熱い湯が多い気がする。かたや松葉の湯は貸し切り状態で湯温も丁度良くてご満悦。(写真は大湯)

宿に帰って朝ご飯。やっぱり量が多くてこれまたご満悦。食後は再びマッサージ椅子で『あ゛〜〜〜っ』てしてからからノロノロと出発の準備。これから雨の中、遠路遙々東京まで帰らねばならぬと考えると億劫にもなりますって。9時過ぎ、おかみさんが見送る中ようやく出発。

雨です。ひたすら雨です。これから向かう渋峠、真っ白で中腹からすでに見えません(泣)。はぁ。。。(T_T)雨の上に視界も悪くて寒いしその上MOTOも不調になってきて、『10月の雨の日は二度と渋峠に来るもんかッ!』と誓いをたて、ただただアフリカツインのテールランプをなぞることだけ考えて走る。

草津のスキー場を抜け、暮坂峠方面を目指す。暮坂峠に至る道中にある『ふるさと活性センター』のうどんが本日のお昼。ここのうどんはご近所のおばあさま達の手作りで、素朴でなつかしい感じのうどん。地元で取れた野菜を使った天ぷらは食べる価値あり。ただし冬季は天ぷらうどんじゃなくて煮込みうどんになるんだけど、これはこれでおいしい。


今日は寒いから煮込みうどん。んまい。

ますます強くなる雨の中、中之条を抜け渋川伊香保ICから高速へ。台風にも負けないはずのカッパもびっしょり。手袋もずっしり水を含んで絞ると水がしたたり落ちる始末。でも靴の中は唯一乾いてる。さすがDannerのブーツ、値段だけの価値はありますね。でも靴下だけ乾いててもあまり意味がないわけで、歯をカチカチ言わせつつ『パトラッシュ、ぼくもう疲れたよ。。。』の一歩手前で無事帰宅。

そんな尻すぼみなツーリングでしたとさ。雨はともかく、朱雀が悔しゅうて悔しゅうて。。。(>_<)いつかきっと必ずこの胃袋に収めてやるのだぁっ!

おしまい